疲労回復にはクエン酸!!誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。クエン酸とはみかんやレモンなどの柑橘類に含まれる酸味成分のことです。
実際にスポーツをした後にレモンを食べたり、クエン酸入りのドリンクやクエン酸そのものを摂取している人も多いはず。
しかし現在では、この「疲労回復にはクエン酸が効く」というのは間違っていると言われています。
その説は本当なのでしょうか。クエン酸と疲労回復について検証していきたいと思います。
ユミ
なぜ疲労回復にはクエン酸といわれていたの?
そもそもなぜ疲労回復にはクエン酸が効くと言われていたのでしょう。それには、人間の身体の中で行われているエネルギー代謝が大きく関わっています。
人間が生きていくための活動をするために必要なもの、それはエネルギーです。例えば心臓を動かしたり呼吸をしたりするのにもエネルギーは不可欠です。
このエネルギーは食べた物を元にして体内で作られます。主に食べ物に含まれる糖質と脂質を分解し、体内でATP(アデノシン三リン酸)という物質に作り替えられてエネルギーとして使われるようになります。
この栄養素がエネルギーに変わるまでの代謝のことをクエン酸回路(TCA回路)と言います。何故クエン酸回路と言うのかというと、実はクエン酸はこの代謝で最初に生成される物質なのです。
そのためクエン酸を摂取すればこの代謝が活性化するのではないかと思われていたのです。クエン酸を口からの摂取で体内に取り込むことで、エネルギー代謝は活性化されると考えられたのですね。
しかし、そもそもクエン酸はこの回路の中で合成される物質であって、クエン酸がなくても回路はまわります。
すなわち、クエン酸の摂取により代謝が活性化するということはないのではと疑問視されはじめたのです。
疲労の原因が乳酸という情報が間違っている可能性も関係している?
また、今までは筋肉が疲労すると乳酸が蓄積されるため、「疲労物質=乳酸」という見解が一般的でした。
クエン酸はその乳酸を分解し、新陳代謝を助ける働きがあるので疲労回復に効くと言われていまいたが、現在では乳酸は老廃物ではなく、乳酸が有る方が筋肉の働きは良くなると言われています。
乳酸もまた、酸素の働きを得ていくつかの物質に変換されたのちクエン酸回路に入り新たにエネルギーを生むのです。
クエン酸が乳酸を分解するのは間違いないですが、そもそも乳酸が疲労物質であるという見解が覆ってしまったわけです。
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クエン酸の効果
疲労回復には効果なしと言われてしまったクエン酸ですが、何も効果がないわけではありません。次のように健康や美容にも様々な効果があるのです。
- ビタミンやミネラルを吸収しやすくする効果があり(キレート作用)
- 身体を酸化から守る(老化予防)
- キレート作用により鉄分の吸収を助ける(貧血改善)
- 血中の乳酸を再度クエン酸回路に加えることにより、血液の酸化を抑え、血流をサラサラにする(血流改善)
- 身体の細胞を正常に働かせ新陳代謝を活発化させる(美肌効果)
クエン酸は安全性も高い成分ですので、疲労回復への効果が疑問視されたからと言って辞めてしまう必要もなく、現在有効性を感じている人は摂取し続けても何も問題は有りません。
まとめ
長い間信じられてきた「クエン酸の疲労回復効果」には有効性のデータがないと国の研究所が発表したことにより、その説は覆りました。
しかし、今もまだその効果を肯定するデータもたくさんあり、研究は続いています。なので、いつまた、違う説が発表されるかもしれません。
科学の発達により、今まで信じていたことが間違いだと言われたり、またその反対のことも起こってくることがありますが、確かな情報をしっかり得るように心がけたいですね。
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