いろいろな料理に使われるレンコンは古くから広く親しまれている野菜です。
正月のおせち料理には欠くことができません。
最近では花粉症対策の食べ物としても注目を集めています。そんなレンコンにはどんな栄養と効能があるのでしょう。
レンコンの栄養と効用をご紹介していきたいと思います。
知っていましたか?レンコンの知識
レンコンの原産地は諸説ありまして、インドなどアジア南部地域という説やエジプトという説もあります。
日本には奈良時代に中国から入ってきて、一般的に栽培して食されるようになったのは明治時代からです。
そもそも蓮の根と書くレンコンは、実は蓮の地下茎で名前の由来はその地下茎が肥大して根のようなので蓮根(レンコン)と呼ばれるようになったようです。
あの穴も意味がありまして、地下茎が泥の中で生育し直接空気に触れないので茎に穴を開けて茎や根に空気を送り込むものだったのです。
その穴から「先が見通せる」ということで縁起がいい食べ物とされ、正月のおせちに用いられるようになりました。
仏教では極楽浄土といえば蓮の池とされ、寺院では競って蓮の池をつくったそうです。
さらに泥水の中から華やかな花を咲かせる蓮は清純な象徴として拝まれてきました。
レンコンには後述しますが美容効果があります。
あの古代中国4大美人とされる楊貴妃も美容のためにレンコンを煎じて飲んでいたと言われています。
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レンコンにはどんな栄養があるの?
それではレンコンにはどのような栄養があるのかみていきましょう。主なものを挙げてみますと、次のような栄養素があります。
ビタミンC
レンコンはビタミンCを多く含んでいます。ミカンの1.5倍、大根の3.7倍もあります。
ビタミンCは熱に弱いのですが、レンコンはデンプン質が多いため加熱しても相当量のビタミンCが残ります。
野菜としてはめずらしくビタミンB12も含んでいます。
カリウムや鉄分、銅、亜鉛などミネラルを豊富に含んでいます。
食物繊維
ペクチンに代表される不溶性の食物繊維を多く含んでいます。
タンニン
レンコンの切り口が早く変色するのはポリフェノールの一種のタンニンを含んでいるからです。
レクチン
たんぱく質の一種のレクチンは、免疫細胞が細菌を探せるように働きます。
レンコンを食べるとどんな効能があるの?
さてレンコンを食べるとどんな効能があるのでしょう。
レンコンはビタミンCが豊富なので、疲労回復が期待できます。
さらにビタミンCはコラーゲンを生成し血管や粘膜を丈夫にします。
肌に張りを与え美肌効果があり、風邪をひきにくくする作用もあります。
最近では発がん物質を抑制する作用があることが判明しています。
ビタミンB12はビタミンCや鉄分と共に貧血に効き、古くから漢方薬に用いられてきました。
ペクチンには腸の働きを活発にし便秘を治す働き(整腸作用)があります。
またコレステロールを低下させ血圧を下げることから、動脈硬化や高血圧にも効き目があります。
レンコンを切った時に糸を引くのはムチン質と呼ばれる物質が含まれているからです。
これはオクラや里芋、納豆などに含まれている成分と同じで、胃壁を守りたんぱく質の分解に働くので、飲みすぎや食べ過ぎの時の胃腸の負担を軽くします。
また、免疫力向上や疲労回復の効果も期待できます。
さらに冒頭で述べたように花粉対策としてレンコンがいいことがわかってきました。
薬用としてレンコンのこんな利用法もあります。
鼻づまりに
レンコンをおろした汁をガーゼや綿に湿らせて鼻孔につめて、左右交互に繰り返し行うと鼻の通りがよくなります。
むくみに
漢方薬ではレンコンの節には利尿作用があるので、干して保存し煎じて飲むとむくみに効くそうです。
このようにレンコンにはたくさんの効用があります。
レンコンはカロリーが意外と高い!
多くの効用があるレンコンですが、意外とカロリーが高いのです。レンコンのカロリーってどのくらいあるのでしょうか?
レンコンのカロリーは100gあたり66kcalあります。
レンコンの1節あたりの重さが約200gありますので、1節あたりのカロリーは約130 kcalあることになります。
また、レンコンの糖質量は100g当たり13.5gありますので1節あたりの糖質量は約27gとなります。
これを他の根菜や芋類と比較してみますと次のようになります。
レンコン カロリー66Kcal 糖質量13.5g
サツマイモ カロリー140Kcal 糖質量30.3g
じゃがいも カロリー76Kcal 糖質量16.3g
ごぼう カロリー65Kcal 糖質量9.7g
にんじん カロリー39Kcal 糖質量6.5g
だいこん カロリー18Kcal 糖質量2.7g
こうして比べるとレンコンはカロリー、糖質共に芋類よりは少ないですが、他の根菜類よりは多いことがわかります。
従ってレンコンは、カロリーや糖質を制限されているダイエット中の方には向かない食べ物と言えます。
特に、調理するには油をつかって揚げたり、炒めたりする料理はなるべく避けた方がいいでしょうね。
レンコンの食べ過ぎには注意!
どんな食べ物でも食べ過ぎはよくありませんが、レンコンを食べ過ぎると腹痛や下痢を起こすことがあります。
これはレンコンに含まれる食物繊維によるものです。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
レンコンに含まれる食物繊維の約9割が不溶性食物繊維です。
ペクチンに代表される不溶性食物繊維は先述したように整腸作用がありますが、水に溶けない不溶性食物繊維を摂取し過ぎると、消化不良となって腹痛や下痢を起こします。
いくら便秘に効くとか腸の働きを整えるからといって、食べ過ぎて腹痛や下痢になってしまったのでは元も子もありません。
食べ過ぎには充分、注意しましょう。
またレンコンには尿路結石に繋がる「ショウ酸」が含まれています。
「ショウ酸」は体内でカルシウムと結合すると石のようなかたまりになり、尿路結石が生成されます。
「ショウ酸」というのは「アク」の成分でほうれん草やキャベツ、さつまいもなどにも含まれています。
これは窒素肥料の過剰摂肥が大きな原因とされています。
よく洗い加熱することで、ある程度減少させることができますが、過剰摂取しないことも大切です。
それではレンコンは1日どのくらい食べてもいいのでしょうか?
医学的には1日に食べるレンコンの適量は100g程度と言われています。
100gというと普通のサイズの半分か、小ぶりのレンコン1節くらいとなります。
レンコンを毎日食べると、先程述べたように身体に悪い影響が出ることもありますが、そうでなければ過剰摂取にはなりませんので、あまり神経質になる必要はないでしょう。
まとめ
レンコンの栄養や効能についてご紹介してまいりました。
レンコンにはビタミンCやミネラル、食物繊維など多くの栄養素を含んでいます。
また、その効能も美容効果や疲労回復、整腸作用等と多岐にわたります。
しかし他の根菜類と比べてカロリーや糖質が高いため、過剰摂取には注意が必要です。
レンコンは昔から縁起の良い食べ物とされてきました。上手に美味しく食べて、健康に活かしたいですね。
読了いただきましてありがとうございました。
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