水菜のような葉物野菜は、比較的早くしおれてしまいがちです。そんな元気のなくなった水菜をシャキッとさせる方法があります。
これからその魔法のような方法をご紹介していきます。
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水菜の葉には、気功という水蒸気が出入りする穴があります。獲れたばかりの葉は水蒸気の蒸発を防ごうと、気功を閉じてしまいます。
それで時間がたつにつれ、しおれてしなびた状態になっていくのです。
「しなびた水菜の復活」を説明する前に、水菜がしなびないようにするにはどうしたらいいか、水菜がしなびない保存の仕方を説明します。
しなびないようにする保存方法は?
まず、水菜を水洗いし、使いやすい長さに切ります。水を張ったボウルに入れ、1~2分浸けておき、ザルにあげて水気を取ります。
保存容器(密封した物)にキッチペーパーを敷き、水菜を入れ上からもキッチンンペーパーを被せてフタをし、冷蔵庫で保管します。
時々、開けてみてペーパーが濡れていたら取り換えます。この方法で10日間は鮮度が保てます。
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しなびてしまった水菜は50°C洗いで復活する?
それでは、いったんしなびてしまった水菜は、どうしたらいいのでしょうか?
それは水菜を50°Cのお湯で洗う方法です。
以前はしなびた部分は捨てるか、シャキシャキ感やみずみずしさを感じず、食していたと思います。
「50度のお湯が水菜を元気にする」ちょっと不思議な感じがしますね
これは「ヒートショック」方法といって、今、ちょっとしたブームになっています。
意外なことに、発見されたのが料理研究家ではなく、蒸気技術工学専門の方だったから驚きです。
「スチーミング調理技術研究会」の「平山一政氏」が蒸気実験中、たまたま発見されました。ノーベル賞に値する発見ですね。
しなびた水菜が復活するだけでなく、この方法には次の利点もあります。
まず、鮮度が長持ちします。
瞬間的にシャキッとするのではなく、水菜の鮮度が長持ちする効果があります。3日以上、経過してもしおれません。
さらに50度洗いした野菜は、菌が90%除去できたという報告があります。
佐賀県のある病院では、入院さんが生野菜を食べられるように50度洗いを病院食に取り入れたそうです。
復活する理由は?
さて、そのメカニズムはどうなっているのでしょう?
水菜など野菜だけでなくほとんどの食べ物は、時間がたつと細胞の中の水分が抜けてしまいます。
それが50度のお湯に浸すことで細胞の中が潤い、食べ物がシャキッとします。それがこの原理です。
もう少し、具体的に説明しましょう。
50度のお湯に浸したことで、水分の蒸散を防ぐために閉じていた気功が熱によって開き、水分をぐんぐん吸収して収穫直後の水分量に戻ったためです
他にも次の要因が挙げられます。水菜の細胞壁をくっつけているペクチンは低温でも分解するため、弾力が高くなったこと。
さらに水菜に熱が加えられたため、「ヒートショックプロテイン」ができて組織が強化されたことが考えられます。
「ヒートアッププロテイン」とは細胞中で熱によって増えるタンパク質のことです。
50度洗いのやり方は?
それでは50度洗いの正しい方法について説明いたします。50°Cのお湯を用意します。
50°Cのお湯は温度計があればいいのですが、常温の水と沸騰した同量のお湯を混ぜます。
水菜を15秒~20秒、全体を浸すように洗います。ちょうどしゃぶしゃぶをするような感じですね。
水菜をザルにあげお湯切りをします。キッチンペーパーでしっかり水気をふき取ります。
水気が残っていると、せっかく鮮度をとり戻した水菜も傷みやすくなってしまいます。調理まで時間がある場合は水気をしっかりとった状態で冷蔵庫の保管します。
ここで大事なことは洗う温度ですね。48度~52度を保つようにしてください。
それ以上だと熱すぎて、煮えた状態になってしまいます。逆にそれ以下だと、かえって雑菌が増えてしまいます。
実際、試してみると、シャキシャキ感、みずみずしさが甦ってくるのを実感できます。気持ちも知らずに高揚しますね
まとめ
今回はしなびた水菜が50度洗い(ヒートショック)で復活する方法やメカニズムについて紹介してきました。
復活するだけでなく、3日以上経過してもしおれず、長持ちすることや、菌を除去する効果もあること。
それは閉じていた細胞が50度のお湯で洗ったことにより、開いて水分を吸収することからおこる現象であることなど、述べてきました。
水菜に限らず、洗う時間は違ってきますが、ほとんどの野菜に効果があります。ぜひ、試していただきたいと思います。
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