春のシンボルであるふきのとう。小さなふきのとうが土の中から顔を出すと、春の訪れを感じますよね。
天ぷらにすると美味しく栄養たっぷりのふきのとうは、古くから日本人に親しまれてきた山菜です。
そのため、日本各地ではふきのとうを方言で呼んでいる地域も多いのです。今回はふきのとうのユニークな方言について考えていきたいと思います。
ユミ
ふきのとうは何故東北以北では「ばっけ」と呼ばれているの?
実は若い世代は東北人でもばっけと言われてピンとこない人も増えている?
「ばっけ味噌」という料理を聞いたことがありますか?
甘辛い味噌に茹でて刻んだふきのうとうを入れた常備菜です。福島や秋田の郷土料理として有名です。
白いご飯に乗せたり、おつまみにもピッタリの味噌料理なのですが、「どうして、ばっけ?」と疑問に思いますよね。
この「ばっけ」とはふきのとうを表す東北以北の方言なのです。
東北のおじいちゃんおばあちゃんは、当たり前のようにふきのとうを「ばっけ」と呼んでいます。
しかし、若い世代の東北人はあまり「ばっけ」を使わなくなってきたようです。「ばっけ」と聞いてもピンとこない東北人が増えています。
「ばっけ」という言葉は北海道の先住民であるアイヌの言葉からきているという説が有力です。
アイヌ語に「ばっかい」という言葉があるのですが。子供をおんぶするという意味があります。
ふきのとうの花をおんぶしているような姿から、この「ばっかい」が「ばっけ」と変化しと言われています。
だから、東北以北の地域で「ばっけ」という言い方が広がったのですね。北海道でも一部の地域で「ばっけ」が使われています。
ばっけではなく秋田、青森の一部の人はちょっと違う呼び方で呼ぶ?
東北の秋田、青森の一部では、「ばっけ」以外にも、ふきのとうを表す方言があります。
「ばんけ」「ばっけぁ」「ばんけぁ」と呼ぶ方もいます。「ばんけ」は山形荘内でも使われている方言です。
どの方言も、「ばっけ」と似ていることから、アイヌ語の「ばっかい」が変化したものだと予想がつきますね。
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ふきのとうのばっけ以外の呼び方はたくさんあるって知ってますか?
「ちゃんまいろ」
実は、東北以外にもふきのとうの面白い方言があります。
特にユニークなのが、長野県糸魚皮市で使われている「ちゃんまいろ」。不思議な言葉ですよね。
「ちゃん」は江戸時代以降「お父さん」の呼び方として使われていました。「まいろ」は「参ろう」という意味。
「ちゃんまいろ」は「お父さん、(ふきのとうを採りに)行こう」が由来しているという説があります。
春の日の、父子のほほえましい姿が思い浮かびますね。
ちなみに、ふきのとうの歴史は古く、江戸時代よりももっと昔にさかのぼります。
なんと縄文時代から食べられていたと言われています。平安時代には栽培もされるようになったんだとか。
本当に古くから日本人の生活の中にあった山菜なのですね。
長野では「フキッ玉」「フキボコ」と呼ばれている?
長野県にもふきのとうの方言を見つけました。長野県の北部では「ふきっ玉」、長野県の北部では「ふきぼこ」と呼ばれています。
これは、ふきのとうの形が由来とされています。玉のようにまん丸になっている姿、ぼこぼこしたふきの姿から、このような方言が生まれたのです。
ふきのとうって英語では何と言うの?
日本では色々な方言で親しまれてきたふきのとうですが、英語では何と言うのでしょうか。
英語では「Butterbur scape」「Butterbur sprout」と呼ばれていました。「Butterbur」はフキ、「sprout」は花茎、「scape」は芽を意味します。
しかし、アメリカやヨーロッパにはそもそもふきのとうがありませんでした。「Butterbur scape」「Butterbur sprout」と言ってもあまり伝わらない可能性が高いですね。
ふきのとうは、日本、アジアの山菜なのですね。
まとめ
今回は、ちょっとおもしろいふきのとうの方言についてまとめてみました。
最近は少なくなってきましたが、ふきのとうと言えば「ばっけ」という方言は有名です。
「ちゃんまいろ」「フキっ玉」などユニークな方言は一度聞いたら忘れないですね。
このように方言が多いということは、ふきのとうが日本各地で昔から親しまれてきたこと証拠ですね。
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